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    膿盆だの鋏、脱脂綿の袋などがまだ散らかつたまゝになつているのを片づけはじめた。

    「どうだ。起きられるか」

    「ほう。元気だね。ハッパでやられたかね」

    「さあ、どうぞ。ずつとお通り下さい」

    男は眼を閉ぢた。何も答へなかつた。

    徳次は又ぐらりとした。

    「さうか、――そんなに何もかも、こつちでして貰つてもえゝか」

    と、小谷は目を丸くした。欲しさうだつた。すると、逸早く、

    と、房一はひとり言を云つた。

    見る見る癇癪かんしやくを起しさうになつた練吉は、その時ふと或ることを思ひ出して黙つた。

    「畜生、おぼえていろ。」

    練吉は時々、「うむ、うむ」と呟き、房一の方をふりかへつては「ね?」と、同意を求めるやうに云つていた。

    第四章

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